水瀬いのりさん28歳のお誕生日おめでとうございます

最近『ドミノ』って映画を観た。ロバート・ロドリゲス監督の新作。
そのネタバレをするんだけど、

警察官の主人公は過去に娘を誘拐されて、犯人は捕まったものの娘の行方は分からないまま何年も過ごしてる。
ある日、何者かが銀行の金庫を襲う計画があると情報を聞きつけて、主人公が先回りして金庫を調べると娘の写った写真が1枚入っていた。
なぜそんなものを狙うのか分からないまま犯人を追うも不思議な力で逃げられてしまう。
その不思議な力というのは催眠能力で、念じるだけで相手の認知や認識を歪めてしまうという。
金庫に入っていた娘の写真を手に入れようと犯人はあの手この手で主人公を狙い、主人公は逃げる道中に自身もその催眠能力を開花させ…

というとこまでが中盤で、この辺りで「実は冒頭1秒から今まで聴衆が観てたのは催眠にかけられた主人公が見ていた認知や認識が歪められた世界(構築世界)でした」というちゃぶ台返しが来る。
その後も数回「今まで見ていたのは構築世界でした」があるんだけどそれが「フェアじゃねえ~」と思っちゃってさ。
ここで言うフェアは聴衆に対してのフェアというか、ミステリで読者が犯人を当て得るかどうかの部分、描写されていない裏でこんなことしてましたが物語の根幹になり得ないというフィクションとしての公平性のことを言ってます。

聴衆や劇中の敵を騙す作品はいっぱいあるけど騙しの構造として「この部分が実は嘘だったから前提が覆ります」で成り立つと思ってて、
例えば詐欺師が出てくるときにあの場面は実は変装でしたとか、催眠ものだと実はこの時点からはずっと催眠にかけてましたとか。
ドミノも催眠能力なんだけど催眠能力が強力すぎて認識してる世界そのものが丸っと歪められるレベルなので、その能力者が複数人出てくると起点とか関係なく盤面の裏返し合いみたいな展開になってフェアじゃねえ〜と思う。
盤面を裏返すためのリソースって実は有限で、劇中に出てきた人物や会話のどこをひっくり返すかなので100分の映画の終盤なら90分ぶんのリソースがあるけど、
この映画はそういう積み上げ無しに「実は構築世界でした」をいくらでもできちゃうのがフェアじゃねえ~って感じ。

 

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ASMRを聞くのがそんなに得意じゃなくて。
ASMRを聞く目的って睡眠導入かソフトな性欲を満たすかのどちらかだと思ってるんだけど、ASMR配信は大体長くて2~3時間程度なので3時間経って配信が終わってもまだ寝付けてなかったときの焦燥が怖くて、入眠時に時間経過を意識するとさらにリラックスできずに寝られなくなる。
その日のコンディション次第で平気で3時間一睡もできない日もあるので…。
そういうASMRの有限なとこが一番苦手で、気持ち良くて情報量の無い音が流れ続けるという点ではASMRは結構好きではある。

あとASMR、とりわけVの人がやっているもので言うと、普段ゲーム実況や雑談など自分のやりたいことをやりたいだけやってる人たちが、ASMR配信では奉仕的なのがちょっと居心地悪い気がする。

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11月に田中美海さんの結婚が発表されてぐわーっと思った。
そろそろ声優の結婚をイジったり悪態をついたりする歳でもないなと思いつつも、感覚的には千本木彩花さんが結婚したときくらいぐわーっとなった。
で、ぐわーっの正体が悲しさや不快さじゃなくて居心地の悪さだと気づくのも歳を経たからこそだなと思う。
声優の結婚って実はASMR配信が終わることと一緒で、
気持ち良くて情報量の無い音に身を委ねていたら急に3時間経っても寝付けていない状況を突きつけられる、そんな居心地の悪さがある。

Vの人の卒業などもぐわーっと思うんだけど、
これも因数分解すると居心地の悪さやフェアじゃねえという気持ちかもしれないな。
Vtuberという強力な催眠能力者集団がいて視聴者の認知を歪めてありもしない世界を見せ続けてるんだけど、彼ら彼女らの匙加減でフリも起点も無く「実は構築世界でした」ができてしまう。
それで振りも無く盤面が裏返ってフェアじゃない!と怒る気持ちよりは、やっぱりそういう有限性が苦手だなと思う。
もしかしたら声優もVtuberも催眠だけどフィクションじゃないのかもしれない。

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今年は水瀬さんのライブを配信アーカイブで視聴して「27歳だなあ」と思った。
今日はASMRが終わる前に寝落ちできたらいいな。

水瀬いのりさん28歳のお誕生日おめでとうございます